死、それは生きる者が必ず経験する通過儀礼です。人間の場合、死は生物的にも社会的にも厳粛かつ厳存でなければなりません。多くの死は家族や医師に看取られて迎えられますが、時には事故や自殺、そして死に方のわからない予期せぬ死も訪れます。
病気になり診療を受けつつ、診断されているその病気で亡くなることが「普通の死」であり、それ以外の死を「異状死」と呼びます。つまり、不慮の事故、自殺、他殺、死因不明など、確実に診断された病死以外の全てが異状死に該当します。異状死を発見した人や死亡確認した医師は警察に通報し、死者は警察官の検視をうけます。
筑波剖検センターは、異状死の原因を究明し、遺族をはじめとした死者周囲の人々の「死に方」に関する疑問に答えるために設立された施設で、警察や医療機関からの要請により外表検査(検案)、死後画像検査(オートプシーイメージング;Ai)、解剖検査などを行っています。
筑波剖検センター長 早川 秀幸
<<医療機関の皆様へ>>
筑波剖検センターで解剖の対象となるのは異状死体に限定されますので、解剖に先立って医療機関から警察へ異状死届出が必要です。病理解剖のご依頼には応じかねますのでご了承ください。