褥瘡(じょくそう)発生率
指標の定義
褥瘡(※)の発生状況は、医療の質を評価するひとつの大切な目安となります。褥瘡が発生し重症化することは、患者さんの安楽を阻害し生活の質の低下をきたし、感染などの合併症を引き起こす原因となります。そのため、発生の予防や早期発見に努めていく必要があります。
※褥瘡…一般的に「床ずれ」とも言われます。圧力がかかって出来た傷のことで、骨が突出している場所が、寝たきりなどによって体重がかかって圧迫され血流が悪くなり、皮膚が赤みを帯びたり潰瘍のような傷が出来たりします。
当院の特徴
当院は、茨城県でも有数の救急搬送受入数を誇る救命救急センターとして重症患者さんを受け入れています。必然的に治療に際しては、多くの医療機器を使用することになります。当院の褥瘡発生率は、他の参加施設と比較してやや高い傾向にありますが、仙骨部などによく見られる、通常の体圧によって出来る褥瘡が発生することはほとんどなく、急性期の治療で必要不可欠な多くの医療機器と身体の接触によって出来てしまう小さな褥瘡の発生が多いのが特徴です。
*「中央値」とは、数値データを大きさの順に並べ替えた時、順番が真ん中になる値。
ここでいう数値データとは、「日本病院会QIプロジェクト事業」に参加している
施設の指標値のことである。2024年12月に公表された「2023年度QIプロジェクト結果報告」の中央値と比較。
計算方法
分子 d2(真皮までの損傷)以上の院内新規褥瘡発生患者数
分母 同日入退院患者または褥瘡持込患者または調査月間以前の院内新規褥瘡発生患者を除く入院患者延べ数
褥瘡評価用 深さ(Depth)の分類
※横スクロールができます
レベル | 患者さんの状態 |
---|---|
d0 | 皮膚損傷・発赤なし |
d1 | 持続する発赤 |
d2 | 真皮までの損傷 |
D3 | 皮下組織までの損傷 |
D4 | 皮下組織をこえる損傷 |
D5 | 関節腔、体腔に至る損傷 |
DDTI | 深部損傷褥瘡(DTI)疑い |
DU | 壊死組織で覆われ深さの判定が不能 |