特定術式における手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
指標の定義
この指標は、特定術式の手術件数のうち、手術開始前1時間以内に予防的に抗菌薬(※1)を投与した手術件数の割合です。予防的に抗菌薬を投与する目的は、手術部位の感染を予防することです。手術部位の感染とは、術後30日以内(術式によっては1年以内)に発症する手術創(※2)や手術対象部位・臓器における感染と定義されています。
※1抗菌薬…細菌感染によって引き起こされる感染症の治療を行うために使用する薬です。抗菌薬には細菌の増殖を抑制したり殺菌したりする作用があります。
※2手術創…手術の際、切開されて縫い合わされた傷
当院の特徴
当院の予防的抗菌薬投与率の平均は98.8%であり、全国的な数値と同様に高い値となっています。当院は救命救急を担っており、定時手術のみでなく緊急手術も実施されています。そのような状況の中でも、手術を受ける患者さんの安心や安全のため、重要な感染予防の一つとして予防的に抗菌薬が投与されていると言えます。
*「中央値」とは、数値データを大きさの順に並べ替えた時、順番が真ん中になる値。
ここでいう数値データとは「日本病院会QIプロジェクト事業」に参加している施設の指標値のことである。
2024年12月に公表された「2023年度QIプロジェクト結果報告」の中央値と比較。
計算方法
分子 手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
分母 特定術式の手術件数