入院患者の転倒・転落発生率、転倒・転落による損傷発生率
指標の定義
患者さんが転倒・転落に至るのは、入院そのものがもたらす環境の変化や疾病・治療・手術の影響によるものなど、原因はさまざまです。本指標は全入院患者さんのうち転倒・転落に至った患者さんの報告件数の割合を原因の別なく示したものです。
当院の特徴
入院患者1,000人に対する転倒・転落発生率は2.69人で、過去5年間で2番目に高い数値となりました。軽微な損傷から骨折までを含む損傷者は0.37人で、直近3年間に大きな上昇は見られませんでした。骨折などの重度の損傷は中央値を上回ることが多く、今年は0.07人という結果となりました。救急病院では症状が重い患者が多いため、転倒時の損傷も大きくなるリスクがあります。重度損傷を防ぐため、予防策と迅速な対応を強化していきます。
*「中央値」とは、数値データを大きさの順に並べ替えた時、順番が真ん中になる値。
ここでいう数値データとは「日本病院会QIプロジェクト事業」に参加している施設の指標値のことである。
2024年12月に公表された「2023年度QIプロジェクト結果報告」の中央値と比較。
‰(パーミル):1‰=1/1000=0.1%
入院患者の転倒・転落発生率
計算方法
分子 入院中の患者に発生した転倒・転落件数
分母 入院患者延べ数
入院患者の転倒・転落による損傷発生率
計算方法
分子 入院中の患者に発生した損傷レベル2(4)以上の転倒・転落件数
分母 入院患者延べ数
転倒による損傷レベル
※横スクロールができます
レベル | 説明 | |
---|---|---|
1 | なし | 患者さんに損傷はなかった |
2 | 軽度 | 包帯、氷、創傷洗浄、四肢の拳上、局所薬が必要となった あざ・擦り傷を招いた |
3 | 中軽度 | 縫合、ステリー・皮膚接着剤、副子が必要となった または筋肉・関節の挫傷を招いた |
4 | 重度 | 手術、ギプス、牽引、骨折を招いた・必要となった または神経損傷・身体内部の損傷の診察が必要となった |
5 | 死亡 | 転倒による損傷の結果、患者さんが死亡した |
6 | UTD | 記録からは判定不可能 |