地域医療支援病院と医療連携
医療連携とは
それぞれの医療機関には特色があります。医療連携は各医療機関の得意分野をいかし、互いに協力しながら適切な医療を無駄なく継続的に提供していこうとする考え方です。
なぜ医療連携が必要なのでしょうか。
医療費の問題
ここ数年の国民医療費の伸びは鈍化しているものの、国内総生産に占める国民医療費に割合は増加を続けています。需要もさることながら、医療の高度化に伴い、この流れは避けられそうにありません。そのため機能分化や医療連携によって、効率的な医療資源の提供を行うことが重要とされています。
医療技術の進歩
医療技術の進歩により急性期の病院で亡くなるかたは減りましたが、リハビリテーションが必要であったり、再発の予防が必要であったりと、すべての方が入院前と同じ状態で退院できるわけではありません。急性期ですべてのニーズに応えることは難しいため、医療資源を効率的に提供するために役割分担の重要性がますます高まっています。
経営的な問題
医療技術の進歩により、診療に用いる機器や薬剤が非常に高額になっており、設備投資には慎重さが求められます。得意とする分野を伸ばし、得意ではない分野はそれを得意とする施設と協力するということも必要です。
医療の質が向上する可能性がある
日本は諸外国に比べて、難しい手術などが実施できる施設の数は多くなっていますが、施設当たりの件数は少ないという特徴があります。
一見、便利なようですが、先進的な治療においては、特定の施設に患者さんが集まることで、治療効果や安全性が高まるのではないかと考えられます。
機能分化とは
医療機関の役割分担をすすめることです。国は外来と入院の機能、急性期、回復期、慢性期など病床の機能を分化するなどの政策をすすめています。しかし、実際には地域によって、医療の提供体制に偏りがあるのが実情であり、各地域で調整がすすめられています。
地域の皆さまへ
病院には軽症の患者さんから、救急車やヘリコプターで運ばれてくる重症の患者さんなど、様々な方がいます。
病院での外来診療は一日がかりになってしまうことが多く、その割には実際の診察時間が短いと感じる場合が多いのではないでしょうか。
当院がこの地域での役割を果たしていくためには、入院や手術が必要な場合の治療、今すぐ治療が必要な重症の患者さんを断らず速やかに対応することが求められています。
年々、診断や治療法は専門化、高度化が進み、全てことをひとつの医療機関で完結させることが難しくなってきており、医療連携と機能分化は重要なキーワードになっています。
地域の医療機関が互いに協力しながら役割を分担し、強みを最大限に生かすことで、医療の効率性と質の向上を図ることがきるのではないかと考えています。そのため当院では、開業医、他の急性期病院、回復期病院、療養型病院、介護施設など、機能の異なる多くの医療機関や施設との連携を重視しています。
地域医療連携について、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
- 地域医療支援病院と医療連携
- かかりつけ医をもちましょう
- 紹介状をもらったら
- 登録医マップ