消化管造影検査
1.消化管造影検査とは
消化管造影検査とは一般で言うバリウム検査のことで、硫酸バリウムと空気を使用し胃や腸を膨らませX線透視下で検査を行います。
2.患者さんへのお願い
以下の方は検査前にお申し出ください。
- 心臓病(特に狭心症、心房細動)、緑内障、前立腺肥大のある方
⇒鎮痙剤が使用できない場合があります。また、他のお薬を使用する場合があります。 - 日常動作に制限のある方
⇒検査中では素早い体位変換が要求されますので、担当者が介助させていただきながら検査を行います。 - 妊娠または妊娠の可能性のある方
⇒X線を使用し検査を行いますので、検査を中止させていただく場合があります。 - 上部消化管造影検査にて誤嚥を起こしやすい方(食事、飲水後によく咳の出る方)
- 人工肛門(ストーマ)を増設している方
⇒ストーマからバリウムと空気を入れて検査を行う場合があります。
体位変換について
消化管造影検査では、検査時に体位変換を行いながら検査を行います。
(理由)
腸管壁全体にバリウムを付着させる
様々な角度から撮影を行う など
より良い検査を行うためご協力よろしくお願いします。
3.機械の紹介
Ultimax-I
4.検査内容
上部消化管(食道、胃、十二指腸、小腸)と下部消化管(大腸)の2つに分かれます。
上部消化管造影検査(胃X線検査)
食道、胃、十二指腸、小腸にある病変を診断します。
(検査時間:20分程度)
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検査前の準備
検査前に食事制限があります。食べ物が腸管内に残っていると病変との区別が難しくなるためです。
検査予約時に説明します注意事項をよく守って前処置を行ってください。 -
検査方法
検査前に胃腸の運動(蠕動運動)や胃液の分泌を抑制する薬(鎮痙剤)を筋肉注射にて投与します。
検査は検査台にてまず胃を膨らませる発砲剤とバリウムを飲んでいきます。
続いて仰向け、うつ伏せを何度も繰り返し体位変換を行いながら胃・十二指腸の撮影を行います。 -
検査後
検査終了後、バリウムと空気を排出していただきます。
検査後はバリウムの影響により便が白くなります。
腸内でバリウムが固まるのを防止するため検査後は普段より多めに水分を摂取してください。
上部消化管造影検査(胃X線検査)画像
下部消化管造影検査(注腸X線検査)
大腸の形態、粘膜の病変、他臓器による大腸圧迫、通過障害があるかなどを検査します。
(検査時間:20~30分程度)
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検査前の準備
下部消化管(注腸X線検査)では前処置が非常に重要です。
大腸に便が残らないように空っぽな状態で検査を行います。
そのため検査前に腸管洗浄剤もしくは検査食を摂っていただき、下剤を服用していただきます。
検査予約時に説明された注意事項を良く守って前処置を行ってください。 -
検査方法
検査着と検査専用パンツを着用して検査を行います。
検査前に腸の運動(蠕動運動)を抑制するための薬(鎮痙剤)を筋肉注射にて投与します。
検査台にて検査用の細いチューブを肛門から挿入し、大腸を膨らませるために空気を入れて検査を行います。
体位変換を行いながら直腸から回腸末端までの撮影を行います。 -
検査後
検査後はバリウムの影響により便が白くなります。
検査終了時には出来る限りバリウムと空気を吸引しますが、腸内でバリウムが固まるのを防止するため、検査後は普段より多めに水分を摂取してください。。
下部消化管造影検査(注腸X線検査)画像