核医学検査
1.核医学検査とは
放射線を放出する薬(放射性医薬品)を体内に投与し、その集まり方を見て病気の有無や状態を調べる検査です。
投与された放射性医薬品は特定の臓器に集積し、そこから微量な放射線(ガンマ線)を放出します。それを機械(ガンマカメラ)で捉えて画像化します。機械から放射線が出ているわけではありません。
2.患者さんへのお願い
- 食事の制限をお願いする場合がございます。
- 放射性医薬品を注射してから撮像まで、数時間お待ちいただく場合がございます。
- 放射性医薬品は保存する事ができない高価な薬です。時間厳守でお願いします。
- 検査後の制限はございません。食事・入浴など、日常生活は普段通りで結構です。
検査の種類により注意事項が異なりますので、説明書をよくお読みください
3.機械の紹介
Discovery NM630
4.検査内容
他の検査との違い(特徴)
CT や MRI 、超音波検査が主に臓器の形や大きさ(形態)を調べるのに対して、核医学検査は主に臓器の働き具合(機能)を調べる検査です。
形態画像と機能画像の両方を用いる事で病気の状態がより詳細に把握できます。
また、基準をもった(定量的)画像や情報を得られる事も核医学の強みです。
骨シンチグラフィ
骨の病変を調べる検査です。
(撮像時間:20~30分)
一度の検査で全身の骨を調べることが可能です。
ガリウムシンチグラフィ・SPECT
炎症や腫瘍の状態・分布を調べる検査です。
(撮像時間:30~60分)
骨シンチグラフィと同じく、一度の検査で全身を調べることが可能です。
心筋SPECT
狭心症や心筋梗塞に対して行われる検査です。
(撮像時間:20~40分)
心臓に負荷をかけて検査することにより、心筋の生存能(バイアビリティ)を調べることが可能です。
脳血流SPECT
脳血管障害、痴呆、変性疾患、てんかん 等に対して行う検査です。
(撮像時間:30~60分)
健常者のデータと対比し(統計画像解析法)、異常部位を客観的に描出することが可能です。
ドパミントランスポータシンチグラフィ
パーキンソン病やレビー小体病 等に対して行う検査です。
撮像時間は30~40分です。
脳の線条体と呼ばれる部位の集積を解析することにより、ドパミントランスポータの分布密度を調べることが可能です。
心筋交感神経シンチグラフィ
パーキンソン病やレビー小体病、心不全 等に対して行う検査です。
撮像時間は20~30分です。
胸部の集積の程度を解析することにより、交感神経の機能を調べることが可能です。