放射線治療
1.放射線治療とは
手術、化学療法(抗がん剤治療)と並ぶ「がん三大療法」の一つで、病巣部に放射線を照射してがん細胞を死滅させる治療法です。
大きく外照射療法と内照射療法の二つに分けられ、どちらも切らずにがんを治療することが可能です。
放射線治療の特徴として、体への負担が少なく、適応の幅が広いことが挙げられます。放射線を照射しても、痛みや熱さを感じることはありません。
2.患者さんへのお願い
当科は完全予約制です。
受診を希望される方は電話にて予約を取得の上、ご来院下さい。
またご来院の際は、紹介状をお持ちになるようお願いします。
連絡先
筑波メディカルセンター病院
TEL.029-851-3511(代表)
3.機械の紹介
TrueBeam
SOMATOM go.Sim
ExacTrac Dynamic
4.治療の流れ
治療開始までの流れは以下の2通りあります。
- 初回に診察、治療に向けた準備(CT撮影)まで行い、治療の開始は後日となります。
待ち時間を含め約1時間程度かかります。 - 初回に診察、治療に向けた準備(CT撮影)から治療計画までを行い、当日に治療を開始します。
待ち時間を含め約2時間程度かかります。
2回目以降は皮膚につけた印に従い、計画通り照射を行います。
- 治療は寝台に寝ているだけで終了します。
- 寝ている時間は初回が約10分程度となり、2回目以降は初回より短い時間となります。
5.治療内容
当院では外照射療法と、内照射療法を行っています。
外照射療法
IMRT(強度変調放射線治療)、SRT(定位放射線治療)、SBRT(体幹部定位放射線治療)、呼吸停止下における治療など、高精度な放射線治療を行っています。
またkV(キロボルト)-X線を利用したIGRT(画像誘導放射線治療)も積極的に行っています。
IMRTとは最新の技術を用いて放射線の強度を変化させて行う照射方法であり、病変の形に合わせた線量分布を作ることができます。
それにより、病変に放射線量を集中させ、正常組織への放射線量を軽減する事が可能です。
頭部、頸部、椎体、肺、乳房、前立腺、四肢などに対し治療を行っています。
内照射療法
ゾーフィゴ®静注(塩化ラジウム223Ra)を用いた治療を行っています。
ゾーフィゴとは、骨に転移した去勢抵抗性前立腺がんに対して抗がん作用を持つ、治療用の放射性医薬品(注射薬)です。
骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすい性質があり、代謝が活発になっているがんの骨転移巣に多く運ばれます。
その部位にアルファ線と呼ばれる放射線があたることによって、骨に転移したがん細胞の増殖を抑えると考えられています。