臨床検査科
業務内容
臨床検査技師の業務は多岐にわたります。
当科では主に
- 採血 (全部門共通業務)
- 検体検査部門(生化学・免疫・血清・血液・一般・微生物・輸血)
- 生理検査部門(循環器生理・呼吸生理・神経生理・超音波検査)
- 病理検査部門(病理組織診断・細胞診・解剖)
- 健診業務部門 (全部門共通業務)
上記部門で運営しています。
主な業務内容を紹介いたします。
採血業務
病棟採血・外来採血
当科では外来・病棟の採血業務を行っています。
外来採血室では臨床検査技師が採血を行っています。
80%以上が診察前の採血で、採血後は迅速に結果を報告します。
重症病棟、小児病棟以外の入院患者さんの採血も実施しています。
全部門の技師の共通業務です。
検体検査部門
生化学検査・免疫血清学検査
血液成分の血清や血漿で様々な臓器の機能や代謝機能、免疫機能、疾患マーカーなどを調べます。外来診察前検査では約1時間、救命救急センターからの依頼には30分以内に報告しています。
血液検査
血液検査では、赤血球、白血球、血小板、ヘモグロビン等を調べます。貧血や炎症の有無、顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し異常や変化を捉え、白血病などの血液疾患の発見につなげます。
また、血液が固まるのに必要な成分の検査(凝固検査)を行い血液が固まりにくい先天性疾患の検索や血栓予防薬の量をコントロールすることに役立てます。
一般検査
尿や便、血液以外の体液(腹水・髄液など)の検査をします。
尿検査は腎疾患・糖尿病・尿路感染症などの診断に有用です。
便検査では主に潜血検査を行い消化管出血の有無を調べます。
髄液検査は細胞数や蛋白成分の検査を行い髄膜炎や脳炎等の診断に役立てます。
微生物検査
微生物検査では様々な検体(血液、喀痰、尿、便、膿汁、髄液、胸水、腹水、粘液など)を培養や全自動遺伝子解析装置を用いて感染症の原因となるウイルスを含む多種多様な病原性微生物を特定し、治療方法の選択に役立てます。
担当技師は感染対策のチームの一員として院内感染対策にも取り組んでいます。
輸血検査
製剤管理システムを使用して24時間体制で安全に輸血ができるように血液製剤を管理し、血液型検査・不規則抗体スクリーニング検査などを行っています。
生理検査部門
※主な検査の内容と注意事項及び所要時間
循環器生理
安静時12誘導心電図検査
心臓の電気信号を記録する検査です。不整脈や心筋梗塞など心臓の状態を調べます。
胸部、手首及び足首に電極を付けてベッド上で仰向けに寝ていただき安静にします。
透析用シャントがある場合はお申し出ください。
所用時間 5~10分
運動負荷心電図(トレッドミル運動負荷試験)
運動して心臓に負荷をかけて心電図の変化を見ることで狭心症などの虚血性の病気を調べます。胸部に心電図を装着しトレッドミル上を速足で歩いていただきますので歩きやすい服装と運動靴でおこしください。
靴は持参していただいてもかまいません。早歩きが難しい方はお申し出ください。
所用時間 20~30分
24時間心電図検査(ホルター心電図検査)
胸部に電極を装着し記録器を着けて24時間の心電図を記録します。
不整脈や虚血性心疾患の診断に有用です。
取り付ける日と外す日の2日間にわたり来院していただきます。取り付け当日は入浴やシャワーはできません
上半身のみ裸になれる服装で来院してください。ワンピースやボディースーツは着用しないでください。
電気毛布や電磁調理器(IH等)の使用時の注意がありますので取り付け時に説明いたします。また、皮膚の弱い方はお申し出ください
所用時間 取り付け時 約20分 外す時 約10~15分
血圧脈波検査
両手、両足で血圧を測定し、足の血管の詰まりや動脈硬化の程度を調べます。
透析用シャントがある場合は必ずお申し出ください。
所用時間 10~15分
呼吸生理検査
一般肺機能検査・精密肺機能検査
マウスピースを口にくわえて、息を吸ったり吐いたりして肺の機能を調べます。
喘息、COPDの診断や手術前のスクリーニング検査として行います。
精密肺機能検査は検査用のガスを使用します。ガスの影響を避けるため検査中に休憩をはさみながら実施します
検査直前の喫煙、食事は避けてください。また、体を締め付けるような下着や服装も避けてください。
所用時間 一般肺機能検査 約15~20分 精密肺機能検査 約60分
簡易睡眠時無呼吸検査
睡眠中の無呼吸や低呼吸の状態の有無や回数を調べます。
一日目に検査機器をお渡しして就寝前にご自身で装着していただき、翌日機器を返却していただきます。お渡しするときに装着方法や機器の使い方を説明いたします。
所要時間(説明所要時間)約15分
神経生理検査
脳波検査
頭皮に電極をつけて脳から出る微弱な電位を記録します。頭痛、意識障害、てんかん等の疾患で検査します。検査前にお手洗いを済ませてください。
髪留め、ピアス、イヤリング、ウィッグ等は外していただきます。
睡眠時の記録ができることが望ましいので寝不足気味での来院をお勧めします。
所用時間 約60分
神経伝導速度検査
主に腕や足の末梢神経を電気で刺激し波を発生させ、その波の伝わる速さや大きさから末梢神経の障害の有無や重症度を調べます。
運動神経伝導速度検査と感覚神経伝導検査に大別されます。
検査前にお手洗いを済ませてください。
所用時間 約60分
超音波検査
心臓超音波検査(心エコー検査)
超音波で心臓の形態や動きを観察し、心臓の機能を評価します。
検査前に血圧を測ってください。
検査前にお手洗いを済ませてください。
所用時間 約30分
血管超音波検査(血管エコー検査)
頸動脈、下肢静脈、下肢動脈、腎動脈等を観察し血管の詰まりや動脈硬化の診断をします。
検査前にお手洗いを済ませてください
所用時間 約30-60分
患者さんへお願い
- 予約検査については予約時間の30分前に来院し、自動再来受付機で受付をしてください。
- 当日複数の検査がある場合は、予約時間にご注意ください。
病理検査部門
病理組織診断
生体組織から採取した検体や、手術で摘出した臓器の組織から顕微鏡標本を作製します。
必要に応じて特殊染色や免疫染色を行い病理医が病態を診断します。
また、手術中の迅速診断にも対応しています。
細胞診
生体から採取された検体(尿・たん・体腔液・臓器の擦過検体他)で顕微鏡標本を作製して細胞を観察し、細胞検査士と病理医で良悪性などの診断をします。
解剖
病理部門では筑波メディカルセンター病院の病理解剖のほかに 筑波剖検センターの業務である司法解剖 行政解剖 調査解剖も担っています。
健診業務部門
臨床検査科全部門でつくば総合健診センターの業務に携わり、地域の皆様の健康維持と病気の予防に努めています。